そんなわけで、7日からです。
この1ヶ月ずっと続いていた絶不調からも、なぜか開放され、道は悪いけど、眺めもよかったし、なかなかよい気分でした。
キルギスの山村の人々はやたらと写真を撮れと要求してきます。写真1
金も店もほとんどなかったので、水の入手は難しいかと思ったのですが、前半は川沿いだったし、中盤は雪の中だったので割りと簡単でした。
ただ、最初は沸かすかイソジンで消毒してから飲むようにしていたのですが、沸かすのめんどいし、イソジン入れるとまずくなるので途中から全部そのまんま飲んでました。挙句の果てにはペットボトルに詰めてからまる一日放置したのまで飲む始末・・・
今回は幸いなんともありませんでしたが、このめんどくさがりはいつか大失敗を招きそう。
7日の夜は初めて3000mで寝ました。朝起きたら隣の小川が凍っててちょっとビックリ。あたりまえですが。写真2
8日はタルドゥック峠(3630m)を上りました。写真3
標高2500mくらいまでは平地と大して変わらないのですが、それ以降はやっぱり鼓動がやばいくらいに高鳴ります。
おまけにひどい悪路で、写真3のように冬装備で積載量も増えている(後ろキャリアの上に載ってるボストンバックはきるぎすでこうにゅうしました。)ため、こいでもこいでも後輪がじゃりじゃりゆうだけでなかなか進まなくて、のぼりでは平均4km/h以下でした。
おまけに、振動がひどくて悪化した首のせいか、風邪か、酸欠かあるいは全部かのせいでこの日から頭痛がしばらく抜けなかったりしました。
でも、上ってる間は意外と楽しかったかも。寒くないし、目に見えるものと戦っているというのはなかなかいい気分です。
その後なのですが、じぜんに3000m台の高原が続くという情報を入手していたので、2900-3100mの平地が続くんだと思っていたら、3100-3500mのむげんにつらなるUPDOWNで参りました。
写真4は3485m地点での野営地です。割と何とかなりました。この装備でも我慢すれば4000mくらいまではいけるかも。3年前の11月瀬戸内海に浮かぶ小島で(標高50mくらい)野宿して風邪引いた男とは思えない進歩!実際に気温が何度だったのか知りたかったけど、温度計付の腕時計をクロアチアで紛失してしまったため・・・
9日、さすがにダートにはあきました。もう二度とダートなんか見たくないって感じです。
オシュからイルケシュタムまでの300km、特に最後の100kmはひどかった。
途中で挫折するチャリダーが多いというのもうなずけました。最後80km無人地帯があるのですが、この道チャリで1日80kmはちょっと無理なのでどうしたって3200以上で野宿しなきゃならないし、まあ体力的にきついというのもあるのですが、チャリへのダメージが半端ない…最後の100kmのダメージは数万km分に匹敵します。サイドバックが2つ壊れ、後輪のリムがゆがみ、前輪のハブが削れ、首が悪化し、ライターが壊れ、ケツ痛が深刻化しました。
まあ、何はともあれ、キルギスを越えて中国に入りました。
入ったはいいのですが、イルケシュタムにはなぜか銀行も両替所も闇チェンジ屋もありませんでした。
頼み込んで、何とか2ドルで遅い昼飯を食わせてもらいましたが、手持ちの食料はどうがんばっても2.5食、カシュガルまでは190kmといわれ…
10日。朝起きると疲れは残っているけど気力が充実しているのを感じたので、カシュガルまで行ってしまうことにしました。ガイドブックによればカシュガルまであと170km。野営地の標高は2500mでカシュガルは1300mなので何とかなる、と思ったんです、このときは。
走ってみると、ひたすら連なる山脈を縫って進む2400-3000mの道だったんです。
それでも午前中はよかったのですが、食糧不足のため(砂糖とバターだけという悲惨な昼飯…)、足がまったく動かなくなりました。そこで奢ってくれたのが写真5の方々です。
日没時までには結局120kmしか進めませんでした。ついでに標高2200m。でも、あと50kmだし、中国は道がいいし、さすがに後は下りだろうし行っちゃおうか、ということになりました。
ところが、中国のセンターラインって光当たっても反射しないんです、その中下るので非常に怖かった。10回くらい死ぬかと思いました。もう2度と中国で夜間走行はしません。
実際にはこの日195kmはしりました。もう精根尽き果てて、眠いし、ホテルのフロントでねっころがっちまおうかって状態でした。
でも、夜間走行も中国だから何とか無事だったんだと思います。中国の運転マナーはアルバニア以東(アルバニア、マケドニア、ギリシャ、トルコ、イラン、トルクメン、ウズベク、キルギス、タイ、カンボジア)ではぶっちぎりNo.1です。まず、逆走してくる車がいない、全員前を向いている。素晴らしい。ハラショー!
これまでの国の人たち、チャリを避けようとしないんですよ!何で逆走してくる車とチキンレースして、自分が負けて路肩に追い落とされなければならないのか、まったく納得がいかない。
よく、中国人の悪口を言う人がいるのですが、(確かに路上はともかく店内でつば吐くのはどうかと思うけど)彼らはガタガタ中国人の文句ぬかす前に運転マナーと料理を学ぶべきだと思います。
中華は素晴らしい。他とは比較のしようがありません。トルコ東部とか、中央アジアに住んでる人が始めて中華食べたら、旨過ぎて失禁してしまうんではないでしょうか。
後、この国は本当に自転車大国です。街中でのチャリの乗り易さはヨーロッパ以上かもしれません。
それに立派なチャリ屋…アンカラ以来です。
修理にまた数千円かかりそうですが…

Comments

TARO said…
すげーとこ走ってんな…

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